2020.4.21
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
新型コロナウイルス対策担当大臣 西村康稔 殿
文化庁長官 宮田亮平 殿
新型コロナウイルスによって製作表現活動を制約されている
創作者に対する補償の要望書
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちが働く映画・テレビ・映像業界では、作品の企画・撮影の中止や延期、中断、自粛、自宅準備作業、自宅待機が相次ぎ、結果、契約の不履行、支払いカット、ギャラの未払いなどが起きています。
私たちの多くはフリーランスであり、この状態が続けば、生活の基盤が失われてしまいます。
先日、文化庁長官から「文化事業に関わる全ての皆様へ」というメッセージが発され、「明けない夜はありません! 今こそ私たちの文化の力を信じ、共に進みましょう」との励ましの言葉がありましたが、生活の補償については一言も触れられていません。
世界を見れば、先進国ではすでに、具体的な補償が次々に発表されています。
翻って日本では、4月7日に「緊急事態宣言」が発出されましたが、私たち映像製作現場で働く者たちは、補償がなければ、外出して働くしかないのです。
しかしその働く場は、「緊急事態宣言」に鑑み、ほとんどがストップしています。
更に、その補償についても、日ごとに二転三転。
4月7日に閣議決定された「緊急経済対策」では「持続化給付金」が盛り込まれましたが、事業収入が前年同月比で50%減少した者が対象であり、私たちフリーランスは、毎月一定の収入がある者は少なく、補償対象とされるのかが未だ不透明なままです。
映像作品は、企画・脚本から撮影現場、編集などのポストプロダクションまで、私たちが支える製作現場があるからこそ、生まれてくるのです。
私たちは新型コロナウイルス撲滅を願いつつも、最悪の場合、永久に失職するおそれさえあります。
私たちは、新型コロナウイルス感染症の安全対策を遵守いたします。
従って、現在生じている損害に関する補償を強く、そして速やかに求めます。
直接的な補償金の支給は、貸付けや融資よりも優先すべきです。
私たちフリーランスや個人事業主を含む芸術・芸能関係すべての創造者は、他業種のフリーランスと共に、一日も早く適切な補償が行われるよう、要望いたします。
映像文化を守り抜くために……
2020年4月21日
日 本 映 像 職 能 連 合
協同組合 日本映画監督協会
理事長 崔洋一
協同組合 日本映画撮影監督協会
理事長 浜田毅
協同組合 日本映画・テレビ照明協会
会 長 望月英樹
協同組合 日本映画・テレビ録音協会
代表理事 小野寺修
協同組合 日本映画・テレビ美術監督協会
理事長 竹内公一
協同組合 日本映画・テレビ編集協会
理事長 只野信也
協同組合 日本映画・テレビスクリプター協会
理事長 小林加苗
協同組合 日本シナリオ作家協会
理事長 佐伯俊道