2023.7.7
2024年7月7日(日)、日大芸術学部江古田校舎を会場に行われた映職連通常総会で、これまでの任意団体から一般社団法人へと移行する提案が承認され、本年9月より一般社団法人日本映像職能連合として再出発することが正式に決定しました。
今回の総会は、任意団体から一般社団法人への移行総会となるため、「任意団体の解散・一般社団法人の設立ふたつの総会を続けて行う」という初めての経験となります。
具体的には、任意団体映職連の第44回通常総会として
⓵昨年度の活動報告と収支決算の承認
⓶一般社団法人設立の承認
③任意団体解散とその残余財産を一般社団法人へと譲渡する承認
を行い、団体を一旦解散。
引き続き、一般社団法人映職連の設立総会を開催し、
⓵定款の承認と理事、監事の選任
⓶新年度事業計画案、予算案の承認
を経て、新組織として再出発することを正式に決定、という流れです。
当日総会開始一時間前に新組織の理事となる各協会理事長に集合していただき、新組織代表理事である会長には、任意団体映職連代表でもあった本木克英監督協会理事長の続投が決定。法人理事となる濱田毅(撮影)、長田達也(照明)、志満順一(録音)、上野聡一(編集)、山内薫(スクリプター)、ハセベバクシンオー(シナリオ)の各団体理事長らが定款書類の署名捺印をしました。
開会冒頭、本木会長が法人化の意義について「先日内閣府知財局(知的財産戦略推進事務局)の方とお会いする機会がありましたが、『作っている側にお金が落ちてこない構造を根本的に変えて現場に価値がつくようにしなければ未来はない』とこの業界にもテコ入れする旨仰っていました。こうした行政によって今後なされるであろう措置を追い風として、映職連諸先輩の40年余りに及ぶ悲願を達成するためにも本日の総会を建設的な審議の場にしていただきたいと思います」と挨拶。
その後、福澤勝弘幹事長(美術)による活動報告、小林加苗氏(スクリプター)による収支決算報告、水谷俊之氏(監督)による法人設立趣旨提案などの承認を経て、任意団体解散、法人設立総会へと進みました。
本木会長が1990年の映職連総会資料や当時の大島渚会長の言葉
「このところ友人に会うたびに、スタッフが足りない助監督がいないという話を聞かされる。いわいる3K(汚い・キツい・危険)なので人が来ない職業になってしまった。 映職連はやがて、幻どころか現実に映画に働く人間の絆を守り、それを次代に伝えていく撮影所にならねばならないと思う」
を引きつつ、「大島さんが仰った目標を微力ながら受け継いで今後映画に限らずあらゆる映像業界で我々作り手が集える場にしていきたいと思う。技師のみならず助手や制作部、協会のないスタッフなどあらゆるスタッフもここに相談したら何らかの方針が見える、と集う場所になればいいと思っています」と述べ、一同強く同意しました。
1980年、映職連の創立宣言にこうあります。
「我々は今後いよいよその連帯を強め、それぞれの組織強化を促進し、職能の自立を図る事によって豊かな映像文化の招来を期するものである」
あれから44年、その志を受け継ぎつつ、法人として新たな船出となりました。だが今はまだ器が変わっただけでようやく新たなゲーム開始の笛が鳴ったばかり。現役バリバリの職能たちの集まり故の活動の難しさ、協会のないスタッフや助手さんたちの組織化、活動支援のための賛助団体の募集などなど課題は山積ですが、まずは一歩ずつ前に進んでいければ。そう心に期す一日となりました。